冨士電線株式会社
1時間低圧耐火ケーブル「1HEM-SH-C」を開発、販売開始
ー火災時の通電可能時間が30分から60分へ倍増ー
冨士電線株式会社(本社:神奈川県伊勢原市、代表取締役社長:兒玉喜直)は、ビルの高層化や高齢化による、火災時の消火・避難誘導の長時間化に対応した、1時間低圧耐火ケーブル「1HEM-SH-C」を開発し、本日より販売を開始いたします。
火災時の通電可能時間が30分から60分へ倍増し、非常電源回路用のケーブルとして、消防用設備の動作時間延長に貢献します。
開発の背景
2013年6月に(一社)電気設備学会に設置された調査委員会での研究により、ビルの高層化や高齢化を背景とした消火活動・避難誘導の長時間化を考慮した場合、現行の30分/840℃を超える、60分/925℃の火災環境に耐えうるケーブル開発の必要性があるものと報告書に纏められ、(一社)電線工業会でこれを2020年10月に規格化しました。
これを受け当社では、製品開発を進め、これまでに培ったケーブル製造技術、更には、材料メーカーと共同開発したマイカテープの活用により、従来から大きく仕様を変えることなく、60分/925℃の火災環境(長時間化・高温度化)に耐えうる耐火ケーブル「1HEM-SH-C」の開発に成功しました。
1HEM-SH-C
耐火試験状況
項 目 | 低圧耐火ケーブル 「 EM-SH-C 」 |
1時間低圧耐火ケーブル 「 1HEM-SH-C 」 |
加熱時間 | 30min | 60min |
到達温度 | 840℃ | 925℃ |
耐電圧 | 加熱前後:1,500V/min 加熱中:600V/30min |
加熱前後:1,500V/min 加熱中:600V/60min |
絶縁抵抗 | 加熱前:50MΩ以上 加熱後:0.4MΩ以上 |
加熱前:50MΩ以上 加熱後:0.4MΩ以上 |
燃焼性 | 150㎜以下 | 150㎜以下 |
新製品の仕様・特徴(現行品との比較)
製品仕様比較
項 目 | 低圧耐火ケーブル 「 EM-SH-C 」 |
1時間低圧耐火ケーブル 「 1HEM-SH-C 」 |
適用告示・規格 | 消防庁告示第10号 「耐火電線の基準」 |
消防庁告示第10号 「耐火電線の基準」 |
JCS4506:2018 低圧耐火ケーブル | JCS4506:2018 低圧耐火ケーブル JCS4524:2020 1時間低圧耐火ケーブル |
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耐火層材料 | マイカテープ | 新規開発品マイカテープ |
絶縁材料 | ポリエチレン | ポリエチレン |
外被材料 | 耐燃性ポリエチレン | 耐燃性ポリエチレン |
① 材料メーカーと共同開発した耐火層材料(マイカテープ)を採用することで、従来品と同等の外径・重量・取扱性を実現しました。
② 現行告示・規格にも対応しているため、従来と同様な敷設環境に対応でき、更なる動作時間の延長が望まれる環境への適用が期待されます。
想定される使用シーン
【消防用ケーブル配線例】
以上
【本件に関するお問合わせ先】
~照会先~
冨士電線株式会社 東京事務所 TEL:03-5217-0911 FAX:03-5217-0920
~報道機関お問い合わせ先~
昭和電線ホールディングス株式会社 事業戦略統括本部 経営企画部 IR・広報課
TEL:044-223-0520 FAX:044-223-0547