2025年4月、SWCCは経営体制を一新し、新たなスタートを切りました。
現在取り組んでいる中期経営計画「Change&Growth SWCC 2026」とそのローリングプランにおいても、構造改革から成長フェーズに軸足が移るタイミングでもあります。
当社では、2019年度よりROIC経営をスタートし、営業利益等の損益計算書の項目だけでなく、投下資本やそのコストを踏まえた事業ポートフォリオの見直しを実施してまいりました。不採算、非効率事業の見直しは一巡し、財務・資本戦略については、成長戦略と歩調を合わせながら、さらなる高度化を図っていくフェーズにあります。
構造改革の柱であるROIC経営により、ROICは導入前の5.6%から2023年度は8.3%、2024年度は8.7%見込みと10%に届く水準にまで大幅に改善しました。不採算事業の改革に加えて事業全般の「稼ぐ力」の底上げに向け、全社的にROICツリーを現場レベルまで落とし込み、改善していく取り組みを継続してまいりました。
今後は成長投資によりROIC計算式の分母、すなわち投下資本が増加していく段階にあります。成長事業においては投資により短期的にROICが低下するケースもありますが、躊躇することなく、将来のキャッシュフローを生む投資を行っていく必要があります。これからのROIC経営においては、ROICありきではなく、ROEやEBITDA成長率などの指標を併用しながら、中長期的な企業価値向上に向け、財務・資本戦略をリードしていきたいと思います。
ROIC経営の本質は、ROICを上げ、資本調達コストであるWACCとのスプレッドを拡大することで企業価値を向上させることにあります。株主資本コストを計算する際に使用するβ値はここ数年低下基調にあり、安定した収益やリスク・ガバナンス・サステナビリティの強化、株主との対話の充実などによりさらなる低減に取り組んでいきます。
一方で、リスクフリーレート上昇や利益の積み上がりによる自己資本の増加は株主資本コストの増加要因となります。成長投資に向けた有利子負債の活用や、株主還元による自己資本のコントロールを通じ、WACCの適正な水準を保ち、企業価値の源泉であるROICスプレッドを確保していきます。
当社のROEの推移
当社のROICの推移
ROIC経営を進める上では、PLだけでなくBSを意識した経営への転換が重要となって来ます。当社は「将来利益はバランスシートから作られる」との考え方のもと、バランスシートの継続的な見直しを実施していきます。
2024年度には政策保有株式や土地などの非事業性資産の処分を実施し、そこから生まれたキャッシュを活用して、TOTOKU社の買収を行いました。TOTOKU社はEBITDAマージンも20%程度と、キャッシュを生む力を有している会社です。今後も資産効率を高め、成長事業に投資することで、将来のフリーキャッシュフローを拡大していく方針です。
また、売上債権の回収サイト短縮や、在庫の縮減などにも徹底的にこだわることで、運転資本の圧縮に成果を上げており、CCC(キャッシュコンバージョンサイクル)の改善に引き続き積極的に取り組んでまいります。
これまで、営業利益などのPL項目が重視されていましたが、バランスシートに目を配り、常にキャッシュフローを意識した経営が浸透するよう全社的に取り組んでいます。
バランスシート経営
これまで取り組んできた構造改革により当社グループの財務内容は大幅に改善し、資本効率の高い、安定して収益を上げられる経営体制が整ってきました。
今後は、キャッシュフローを意識した経営により、EBITDAをしっかりと上げながら、キャッシュアロケーションの原資を確保していきます。
成長投資、人的資本投資、研究開発投資に加えて株主還元についても、従来以上に積極的に対応してまいります。
株主価値向上の観点では、TSR(株主総利回り)が常に市場(配当込みTOPIX)を上回ることを目指していきます。
財務KPIの考え方
TSR上昇には、事業ポートフォリオの見直しによる成長性の高い分野への資本投下やDX推進による生産性向上を継続することで、企業価値をさらに向上させていきます。株主還元についても配当性向を35%以上に保ち、利益が下振れした場合においてもDOE4%を維持する方針です。株価上昇と株主還元の充実を図ることで、株主の皆様のご期待にお応えしていきたいと思います。
SWCCのTSR推移
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