AIを利用した高機能銅合金の開発プロセス構築へ
昭和電線CSと産総研 共同研究開始

昭和電線ケーブルシステム株式会社

AIを利用した高機能銅合金の開発プロセス構築へ
昭和電線CSと産総研 共同研究開始

 昭和電線ケーブルシステム株式会社(本社:神奈川県川崎市、代表取締役社長:川瀬幸雄、以下、昭和電線CS)は、国立研究開発法人 産業技術総合研究所(東京本部:東京都千代田区、理事長:石村和彦、以下、産総研)と、高機能銅合金の開発プロセス構築に向けた共同研究を開始しました。開発された材料の最適な製造方法を最短で探索するプロセス・インフォマティクス(以下、PI)という、産総研が得意とするAI手法を活用し、これまで長期間を要した銅合金開発を早期に進めるプロセスの構築を目指します。

■共同研究の背景

 銅は優れた導電性を有する金属材料であり、電線の導体としても広く用いられています。合金化により強度や耐久性が改善され、これまでにも用途に即したさまざまな組成の銅合金が実用化されてきました。
 昭和電線CSでも従来から銅合金の研究を進めてきましたが、金属組成の検討や加工工程の最適化のためには「トライアンドエラー」を繰り返すことが必要となり、そのために相当な期間とコストを要することが課題となっていました。この課題を克服する新たな銅合金開発プロセスを構築すべく、このたび、産総研との共同研究をスタートしました。
 共同研究では、PI手法を取り入れた独自のアルゴリズム(予測手法)を用いることで、「トライアンドエラー」に頼らない、AIによる効率的な開発プロセスの構築を目指しており、これにより従来の開発期間を格段に短縮できることが見込まれます。さらに、この開発プロセスを構築することで、これまで希少元素や高価な金属が必要だった高機能合金を汎用で比較的安価な銅系で実現することや、一般的に相反関係にある強度と導電率を両立させた新銅合金を開発することなど、銅合金の新しい可能性を高めることが期待できます。

■両者の役割

産総研

  • PI手法を基に合金の加工工程の予測モデルを作成、最適な加工条件を推定し、昭和電線CSに提供する。昭和電線CSの実験データを基に、予測モデルをブラッシュアップする。

昭和電線CS

  • 産総研から提示された加工条件を基に、銅合金の製造拠点である昭和電線CS仙台事業所(宮城県柴田郡柴田町)の金属材料開発部門が実験・評価する。予測モデルで導かれた最適条件を基に、利用可能な新銅合金を実現する。

両者の役割図(イメージ)

 主に1~3のプロセスを産総研が、4のプロセスを昭和電線CSが、5を両者で担います。

両者の役割図(イメージ)

昭和電線CSAIの技術を利用することにより、顧客ニーズを迅速に実現できる合金開発のプラットフォームを構築するとともに、新銅合金が社会に広く普及・定着することを目指してまいります。

■参考

昭和電線CS 銅銀合金材
>https://www.swcc.co.jp/jpn/products/detail/p_cuag_1770.html

銅合金事業の製品開発体制強化に向けて
>https://www.swcc.co.jp/jpn/news/images/200807B_PRESS_RELEASE.pdf

産総研ホームページ
https://www.aist.go.jp/

以上

【本件に関するお問合わせ先】

昭和電線ホールディングス株式会社 
経営戦略企画部 戦略課 IR・広報グループ
TEL:044-223-0520 FAX:044-223-0547

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