昭和電線ケーブルシステム株式会社
新防蟻CVケーブルの本格納入を開始
~ケーブルの可とう性、細径化を実現。施工性の高さとコスト削減に寄与~
昭和電線ケーブルシステム株式会社(本社:神奈川県川崎市、代表取締役社長:川瀬幸雄、以下「CS」)は、シロアリによる蟻害からケーブルを守る可とう性に優れ、細径化を実現した新しい防蟻仕様の電力用CVケーブルを開発しました。主に西日本地方の蟻害発生エリアで防蟻を求める電力会社へ本格納入を開始し、2020年9月から関西電力送配電株式会社に採用されています。
新防蟻CVケーブルは、防蟻剤入りのビニルを被覆材に使用することで、従来の防蟻CVケーブルとは違い、一般的なCVケーブルと同じ高い可とう性・細径化を実現しています。また、曲げやすさが大幅に向上しており、施工の省力化が期待されます。
地球温暖化の影響で、蟻害の発生するエリアは拡大傾向で、今後も電力設備、再生可能エネルギー設備等にて、新防蟻CVケーブルの需要は増加すると考えており、電力会社や民需への強化に向けて、適用拡大を目指します。
■背景
シロアリは主に海岸線に近い温暖な地方で地中内に巣をつくって生息しています。近年、地球温暖化の影響もあり、シロアリの生息地域は徐々に拡大傾向です。ケーブルが布設されている地中電線路内は、ケーブルからの放熱により、通年でシロアリの生息し易い環境になる一因として考えられています。シロアリによる蟻害は、主にケーブル外装のシース材を食い破ることです。蟻害は絶縁性能の低下、劣化につながり、最終的に絶縁破壊に至るので別途、ケーブル取替費用の発生や停電を伴う工事となることから、施工当初より防蟻CVケーブルを布設するなどの対策を講じることが一般的です。
従来の防蟻CVケーブルでは、シロアリの歯が立ち難いナイロンなどの硬い材料からなる防蟻層を外装にするため、ケーブル外径が大きくなります。さらにナイロン防蟻層が硬いことで可とう性が一般CVケーブルと比較して劣ること、そのため布設スペース拡張の付帯工事が必要になる場合がありコスト面も含めた課題がありました。
そこでCSが開発した新防蟻CVケーブルでは、可とう性を高めるため、外装に防蟻剤入りビニルを使用し、ナイロンなどの防蟻層を設けないことで、ケーブル外径の細径化を実現しています。これにより狭隘箇所の布設条件内で設置可能となり作業効率が高まります。また、ケーブル輸送時には、ケーブル質量低減及びケーブルドラムの縮小化が可能となり、車両を含めた輸送費のコスト削減も見込まれます。
■「新防蟻CVケーブル」の主な特長
① ケーブル外径の細径化
② ケーブル曲げ半径の縮小化
③ 難燃特性・防災テープ巻きの省力化
④ 環境配慮型製品
⑤ 出荷ドラム等の輸送に関する特長
⑥ 新防蟻CVケーブルとナイロン防蟻層付きケーブルのドラム大きさの比較
例:3芯ケーブル撚り合わせ外径:114(mm)
ケーブル巻き量:100(m)
■参考:新防蟻CVケーブル製品写真
図1:新防蟻CVケーブルのドラム全体
図2:新防蟻CVケーブルのドラム正面
【本件に関するお問合わせ先】
~照会先~
昭和電線ケーブルシステム株式会社
電力・インフラ営業部
TEL:044-223-0535 FAX:044-223-0558
~報道機関お問い合わせ先~
昭和電線ホールディングス株式会社
事業戦略統括本部 経営企画部 IR・広報課
TEL:044-223-0520 FAX:044-223-0547
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