Strength [vol.03]SWCC独自の融合技術が生む銅銀合金線 「細径化・強度・導電率」のあくなき追求とは

Strengthvol.03

SWCC独自の融合技術が生む銅銀合金線
「細径化・強度・導電率」のあくなき追求とは
2020年1月27日公開

強度と導電率、両方が求められる理由

きっかけは国の研究機関からの共同研究の依頼だった。当時、金属材料技術研究所(現:物質・材料研究機構)は、普通の銅線で巻いたコイルが、高い磁場をかけてたくさんの電流を流すとコイル自体が膨らみ、壊れてしまう課題に直面していた。そこで、破損が生じない銅以外の強い材料を生み出すことを目的に研究を進めていた。そのようなとき、当社に対して研究開発の白羽の矢が立ったのだ。理由は、金属材料製造に関する多数の実績があったからである。強度はもちろん、導電率を高めることが可能な銅と銀の組み合わせに着目し、「銅銀合金」の研究開発に取り組んでいった。

銅線

銅銀合金の製造では、導電率を高めると強度が落ち、強度を追求すれば逆に導電率が下がってしまうため、どのようにバランス良く配合するかが鍵になる。それに加えて、鋳造や熱処理加工といったさまざまな製造技術のノウハウはもちろん、長年培った経験値が左右する。国のプロジェクトとして、銅銀合金の開発が本格化するにつれ、当社に備わっていた「加工技術・知識・設備・製品化技術」が、高品質の銅銀合金製造に適していると認知されてきた。現在では、細く加工して自動車の電装部品に利用されたり、先進医療を助ける器具に利用されたりと、貢献分野の裾野は広がっている。

細径化ニーズへの対応

機械や部品など、さまざまなものが小型化されるようになり、合金線に対するお客様からの要求は、「細くしたい」という声が圧倒的に多くなった。当社は、細くした銅銀合金線を材料として供給するが、供給後はお客様が仕様に合わせて加工する。そのため、いくら細くしても強度が伴っていないとお客様が製品化する段階で不合格になる。従来から、銅材の伸線加工技術をはじめとした独自の加工技術を有していた当社は、銅銀合金においても要望に合わせて髪の毛よりも細く加工できるのだ。このように、当社の銅銀合金線は、細さと同時に高強度・高導電率を兼ね備えた革新的なものとして認知され、極細マグネットワイヤー、極細ケーブル、電子部品に応用されるようになった。

細くて高強度、しかも高い導電率

銅銀合金線には、強度のほかに通電時のロスが少ない導電率の高さが要求される。一般的には、細くなると導電率が落ちてしまうので、細径化と導電率を一体で考えなければならない。細く強く、細くて高導電、反比例するこれらの条件を満足させる調整技術が当社の真骨頂だ。写真にあるように、白い部分は銀の多い合金部、黒い部分が銅の多い合金部だ。熱処理、伸線加工、鋳造を微妙にコントロールすることでこのような組織を生み出す。繊維状組織にすることで、導電率、強度のバランスを担保する事が可能となり、1,400Mpaで導電率70%を実現した。強度を高めたことは、耐屈曲性の向上にもつながる。断線するまで繰り返す屈曲試験では、素線φ0.1㎜の比較で純銅の70倍以上、撚り線の10倍以上の耐屈曲性を証明した。

高強度のメカニズム
高強度のメカニズム
純銅と銅銀合金の強度比較
純銅と銅銀合金の強度比較

SWCCでしかできない技術の融合

銅銀合金線の製造工程のキーワードは「加減」。文字通り、加えたり削減したりの絶妙な職人技が要求される。その一つが、銅と銀の溶解工程における配合比率バランス。もう一つは、合金化した線材の冷間加工と熱処理のバランスだ。細さ、強度、導電率の三拍子揃った銅銀合金線を生み出すのは、まさにこれら技術の融合に他ならない。

鋳造 冷間加工

0.01㎜への挑戦など、職人技が織り成す高品質とは

一般的に銅線には純銅が使われるが、細くするには強度が必要になるので銅以外の金属を混合する。そこで生じる導電率の低下を発生させずに細径化を極めていく技術が必要になる。SWCCは、機器のコンパクト化のニーズを受け、この技術で0.03㎜の銅銀合金線を開発した。しかし、各業界からの細径化の要求はさらに高まっている。お客様によっては、単線で使用する場合はもちろん、撚り線での使用もあるため、当社はさらにハードルを上げ、0.01㎜の超極細線の開発に挑んでいる。

ページトップへ