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MISSION_02 次世代超電導線材を実用化せよ

世界3位の実績

超電導線材の能力は、長さ×電流の積 Ic・Lの値で決まります。昭和電線の線材能力であるIc・Lは、現在15万A・m。世界第3位の能力(出典:超電導技術動向報告会2009資料(ISTEC))を誇ります。
2003年より、500mの超電導線材を作る国家プロジェクト(超電導応用基盤技術研究開発プロジェクト(第II期):NEDO委託事業)が立ち上がり、(財)国際超電導産業技術研究センターを核に研究・開発がスタートしました。参画する線材メーカーの中から2社が選ばれて500m線材の開発を進めることになりました。その線材メーカーの1社が昭和電線です。プロジェクトのスタートから6年、昭和電線は500mの超電導線を作ることに成功し、その超電導線は1cm幅換算で300A(アンペア)の電気を流せる性能をもっています。

昭和電線は世界第三位

出典:超電導技術動向報告会2009資料(ISTEC) 

イットリウム系線材の特長

超電導線材には金属系とセラミックス(酸化物)系があります。現在、昭和電線はセラミックス系超電導体の中からイットリウム系超電導線材の開発をしています。イットリウム系は、センサーなどの基板の上に薄膜を作る半導体デバイスの分野で研究が先行した材料です。

イットリウム系は、基板の上に結晶をきれいに並べると、非常に大きな電気が流れます。結晶を原子レベルでブロック状に並べていくため、作り方が非常に難しいのですが、半導体プロセスの延長線上で金属テープの上に材料のブロック状結晶をきれいに並べる技術が生まれました。

イットリウム系線材は、銀を使う量が少ないので低コストで線材を作製できるメリットがあります。一方、超電導線材はコイル状の電磁石にして使用することが多く、超電導線の周囲の磁場強度が大きくなるにつれて超電導の特性が落ちる性質があります。その特性の落ちる割合がイットリウム系線材の場合、他の超電導線材よりも小さく、特性の持続性に優れています。


MOD法の特長

MOD法は、超電導線材を作製するプロセスの1つです。イットリウム系超電導酸化物を構成する金属を有機溶剤に溶かし、それを基板の上に塗って焼成します。MOD法の特長は、薄膜作製に高価な真空装置を使わず、普通の電気炉を使用するため低コストでできることです。しかも、一度に大量の線材を焼成できるため量産性も優れています。昭和電線はこのMOD法を選択しました。

昭和電線が選択したプロセスが持つもう1つの特長は、焼成する条件さえ定まれば、設備を誰が稼動させても高品質の線材ができる事です。温度さえコントロールして作製条件を決めれば、熱的な反応で焼成するため時間が決まり、実用化、事業化につながる可能性が大きいので今後の展開に期待されています。


本装置はNEDOからの委託研究である「超電導応用基盤技術研究開発」において導入した装置です。


今後の取り組み、展開

今、超電導線材の国際競争は、アメリカと日本以外に韓国も長尺化と量産技術開発に本格参入し、各国が高性能と量産性・低コスト性の両面で世界市場に進出しようとしています。その中で昭和電線は、超電導線材の本格的な製造に着手しようとしています。その中で、線材メーカーに課せられた超電導線材市場の開拓も昭和電線のミッションの1つになっています。

例えば、風力発電のモーター向けの製品です。モーターに普通の銅線で作ったマグネットを使用すれば、発電した電気の一部が電気抵抗のため熱エネルギーとなり空間に逃げてしまいます。そこに超電導線材を使用すれば、電気抵抗がゼロなのでエネルギーを逃がさず100%使えます。さらに、普通の銅線と同じ出力のモーターを超電導線材で作ると効率が良くなるためコンパクトになり、モーターを収納するスペースが小さくてすみます。このほか、発電機や船舶のモーター向けにも超電導線材は最適です。

機器開発をターゲットにした現在の国家プロジェクトの中で考えられているアイテムは、送電ケーブル、変圧器、蓄電池のように電気を貯める電力貯蔵の3つがあります。この中で昭和電線がかかわっているのは、送電ケーブルと変圧器です。この実用化が進めば、いろいろな場面で超電導線材が使われていきます。その結果、地球環境にやさしい低炭素社会の実現への一翼を担うことになります。


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