IR・決算情報

MISSION_01 無酸素銅線の価値を再確認せよ

昭和電線ディップ・フォーミング・システムの歴史

1969年、アメリカのゼネラル・エレクトリック社(GE)からディップ・フォーミング・システムを購入し、当時の川崎事業所に1号機を導入。1975年には、三重事業所に2号機を導入し、約10名の専任者が初期設計から据付まで行いました。その後、1号機は川崎地域再開発のため廃棄。3号機を仙台事業所に導入しましたが、需要激減のため廃棄処分の運命をたどります。2号機は、三重事業所周辺の需要があり、現在も稼動を続け無酸素銅線を製造しています。

昭和電線は、1976年にはGEとディップ・フォーミング・システムに関する技術販売・役務代行契約を締結し、国内、アジア地区で販売および技術指導を行ってきました。1989年にはディップ・フォーミング・システムのP.A.T.、ライセンスを買い取り、昭和電線の技術として発展させてきたのです。そのときのシステムが、現在でも台湾・マレーシア・中国で稼動しています。日本国内では昭和電線三重事業所にしかありません。

ディップフォーミングシステム

ディップ・フォーミング・システムの原理

ディップ・フォーミング・システムは、もともと異種金属同士を付着させる目的で開発が始められました。例えば、鉄線のシードロッド(種線)回りに銅を付着させるなどです。この開発過程において、銅のワイヤーロッドの製造に応用できないかという発想から、現在のシステムが完成しました。

その原理は、銅のシードロッドを千数百℃の熔銅の中に通し、シードロッドの回りに銅を付着させるというもの。熔銅の熱でシードロッドが溶けないように通過できる時間を計算し、その時間内で銅を付着させます。原料となる電気銅挿入から製品が出てくるまでのすべての工程は、酸化を防ぐため還元雰囲気中で行うことにより無酸素銅線を大量に生産することができます。


昭和電線の無酸素銅は純度99.99%(4N)・酸素含有量10ppm以下

〔水素脆化試験結果〕
無酸素銅グレード
ディップ・フォーミング材
(4N C1020)
タフピッチ銅材

結晶粒界に気泡および
隙間が無い。

結晶粒界に気泡および
隙間が存在している。

水素脆化試験後の
曲げ試験180°1回曲げで
割れが生じない。

水素脆化後の曲げにより
結晶粒界から割れが生じる。

昭和電線が製造する無酸素銅の銅純度は99.99%(4N)以上。不純物の少ない原料(電気銅)を使用し、ディップ・フォーミング・システムの製造過程において、酸化を防ぐことで酸素含有量10ppmをはるかに下回る高品質の無酸素銅線を製造しています。その特長は次のとおりです。

  • 1.曲げ、ねじりに強い究極の加工性
    一般的な丸い銅線を潰して平たく加工すると、銅線はひび割れますが、無酸素銅線はひび割れずきれいに平たくすることが可能です。また、変則的な曲げ、ねじりにもひび割れず耐性を発揮します。
  • 2.コンパクト化と生産性を上げる溶接性
    銅の巻線を自動車のモーターや電装部品に使用する場合、コンパクト化を追求するとコイルを溶接で繋ぐ作業が必要となります。その際、普通の銅の巻線を溶接すると、水蒸気ガスを発生し、溶接部分に気泡などの欠陥が発生します。一方、無酸素銅の場合は、そのような不具合は発生しません。
  • 3.優れた導電性
    不純物が少ないことから、優れた導電性(導電率101〜102%)を示します。

昭和電線の無酸素銅の代表特性
規格 JIS H 3510
電子管用 無酸素銅 (C1011)
ASTM B 170
Oxygen-free Electrolytic
CopperRefinery Shapes
昭和無酸素銅
(C1020)分析例
化学成分 Cu:99.99%以上
O2:10ppm以下
Cu:99.99%以上
O2:5ppm以下
Cu:99.99%以上
O2:5ppm以下
水素脆性 90°繰返し曲げ 10 回以上 90°繰返し曲げ 10 回以上 90°繰返し曲げ 10 〜15回
機械的特性
項目 JIS C 3102※1
(C1100)
JIS H 2123※2
(C1020)
昭和電線無酸素銅線 (C1020)
引張強さ(MPa) 235〜255
導電率(%IACS) 100以上 100以上 101〜102
伸び(%) 30以上 31〜35
備 考 2.6mm抜粋   2.6mm軟銅線
  • ※1 JIS C 3102-1984 電気用軟銅線
  • ※2 JIS H 2123-1999 C1020 形銅(無酸素形銅2種)

低炭素社会の一翼を担う無酸素銅線

近年、無酸素銅の需要が一気に高まっています。その背景には、電気自動車やハイブリットカーなど自動車産業の需要があり、無酸素銅線は優れた特性からそれらの車のモーターの巻線や電装部品のコイルに使われ始めています。

コンパクト化・軽量化が進むエンジンルームに収納されるモーター、および年々複雑化する電装部品には溶接性に優れ、複雑な曲げに耐え、究極の加工性を誇る無酸素銅線が求められています。

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